国内では最多のコンサート回数を誇るアーティストさだまさしさん。その数4580回以上です。(2023年6月時点)
2023年はソロ活動50周年のメモリアルイヤー。
昨年のツアーで「来年は何かやりますよ。1日ではやりきれないと思いますが。」の宣言通り東京、大阪、名古屋の3都市で4日間違う内容のコンサートが行われました。
私がさださんのコンサートに初めて行ったのは46年前。今までに100回位はコンサート会場に足を運んでいます。
そんな私が行った名古屋公演の第二夜(2023年6月21日)のレポートです。
3都市でしか開催しない記念ライブってどんな様子なの?って思う人には役に立つ記事だと思います。
一部ネタバレになりますのでご了承を。
観客全員での合唱が帰ってきた!

「幸せになろう〜、いつか必ず。約束をしよう〜幸せになろう〜」本編のラストソングは「落日」。
この曲はコロナ前のライブでは観客全員で合唱して盛り上がるのが定番の曲でした。2020年以降は収容制限や声出し禁止などのコロナ対策を取りながらのライブ開催でしたので、当然この曲がセットリストに選ばれる事は無かった訳です。
今回の50周年記念コンサートでこの大合唱が帰ってきました!マスク越しではありましたが女性客が多いので美しい高音の歌声がホール全体を包みラストを盛り上げました。
ご本人もライブ中のトークで言っていました。コロナはまだまだ油断してはいけないけど、この記念コンサートで以前の合唱が帰ってきた事はとても嬉しい出来事でした。私にとっては最も驚いた演出の一つとなりました。
もう1曲、「北の国から」でも全員での合唱が起こりました。北の国からは歌詞がないのでハミングと言うのが正確ですね。会場全体の照明が明るくなって「みんなで声を出しましょう♪」という暗黙の雰囲気を盛り上げます。以前は当たり前だったこんな情景もありがたいことだと感じるくらいこの3年間は長いトンネルでした。
工務店ナイト

第二夜のタイトルは「工務店ナイト」工務店とは「さだ工務店」のこと。さださんのバックバンドの名前です。ピアノからベース、ドラムなど9名が多彩な音色を奏でます。
店長は「倉田信雄」さん。1955年横浜生まれのピアニスト、さださんのステージのプロデューズも勤めます。その他8名のプロフェショナル集団がさだ工務店です。
この9人のメンバー紹介が2曲目のあとに早速ありました。普通はバンド紹介ってコンサートの後半かラストですよね。工務店ナイトらしい進行でした。
さだ工務店は単独でライブを開催するほどの人気と実力を備えたバンドで年齢層も幅広いメンバーが奏でる演奏はさださんが毎曲拍手を送るほどの重厚な迫力があります。
そしてさださんは彼らとライブをやると、思いもよらない「ステージ・マジック」が起こる。と表現しています。
前半は案内通りヒットパレード

この日のセットリストは全部で17曲。前週に開催した大阪での第二夜では披露しなかった1曲がありました。
そのほぼ半数強はいわゆるヒット曲と言われるものでした。本人も「今日の前半ははヒットパレードです」と言うくらいのセットリスト。メドレーにしようかな、とも考えたようですが、やっぱり全部聞いてもらおうと言うことになった。と仰っていました。
少しだけ曲目を紹介しますね。案山子、秋桜、関白宣言、道化師のソネット、、などです。曲目だけ聞くと「ああ、あの曲ね」と感じる人もいると思いますが、今回のステージはアレンジもいつもと違う感じの曲が多かったように感じました。
トークの大ネタは新幹線の車掌さんネタ

さださんのライブの楽しみはトークです。今回のメイントークは新幹線の車掌さんネタ。
ひかりとこだま号しかない時代のひかり号車掌のアナウンスには特徴があった。という話です。
当時のひかり号、東京の次は名古屋が停車駅だったので乗り間違える人に注意を促すアナウンスだった。という内容です。
例えば、熱海の温泉地に行きたい人がひかり号に乗ってしまうと名古屋まで降りられなくて車掌さんに泣きつく場面がよくあったことを面白おかしく紹介していました。
車掌さんに泣きつくお客さんの様子や、車内アナウンスは車掌さんはまさにそのもの。とってもおかしくモノマネをしていました。
特に名古屋到着前のアナウンスでは「乗り換えのご案内です。折り返し熱海方面に行かれる方は2分後に入線するひかり号には乗らないでください。東京まで止まりません。」と言う部分は皆さん大爆笑でした。
落ち着き払った余裕の進行

50周年と言えば半世紀の大きな節目。しかも3都市でしか開催しない特別なコンサート。普通ならとてもテンションが上がってもおかしくないと思います。
でもさすが百戦錬磨のさださん。変な気負いもなく普段と変わらないテンションと進行だと感じたのは私だけではないと思います。
同じセットリストは3回だけという特別感はあるけど、衣装やステージ装飾が特別派手な訳でもなく良い意味でカッコつけないステージが素敵でした。
まさかのダブルアンコール?

でも、少しだけ特別感を感じた事をひとつ紹介します。ダブルアンコールが起こりました。
ここ数年私が見てきたコンサートはアンコールは一曲。会場が明るくなるとお客さんも拍手をやめて帰路に着くのが定番です。
ところがこの日はオールスタンディングのアンコールで会場が明るくなって「以上を持ちまして本日の公演は、、、」とアナウンスが入っても拍手が鳴り止みませんでした。
暫く拍手が続くと何とさださんが再びステージに出てきてくれました。歌こそ歌いませんでしたが、深々とお辞儀をして「ありがとう、歌えなくてごめんなさい」と言ってくれているように見えました。
一夜限りの豪華パンフレット付

今回のコンサートには一夜毎に違うパンフレットが全員に配布されました。
LPレコードのジャケットを模した作りで、シリアルナンバーも入った丁寧なものでした。中身は全32ページの読み応え十分なもの。
さだ工務店9人のメンバーを1人ずつ紹介してメンバーの「忘れられないあの日」「プレイするのが楽しみなこの曲」「何度も聴きたいあのステージトーク」も掲載されています。
後半には50年を振り返るステージ写真や都道府県別のステージ回数などの保存版としての内容も掲載されています。その日しか配布しない豪華パンフレットは贅沢なプレゼントですね。
9月からは記念ツアースタート

3都市4夜公演の後、「さだまさし50周年記念ツアー~なつかしい未来~」として9月から11月まで全国26公演が開催されます。
相変わらず精力的なさださんですが、今年のツアーがどんなセットリストになるのか楽しみです。きっと4夜で披露したエッセンスをまぶした素敵なステージになるのだと思います。
さださんのライブ記事他にも書いています。


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